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3. 勘違いスズメ

 

一羽のすずめと 見知らぬ国を旅している。

相棒のすずめは 左の羽に怪我をしていて 飛ぶことができない。

そのかわり 歩くのが早い。

そう このすずめはぴょんぴょん跳ばずに 歩く。

 

午後 

私たちは長距離バスに乗り

乗っている間中ほとんどずっと ミニチュアトランプで神経衰弱をして遊んだ。

しばらく走って バスはどこかのサービスエリアに停まった。

そろそろ宵であった。私たちはサービスエリアのカフェテリアで軽い夕食を取りバスに戻るため表に出た。

 

ところが 駐車場には23台 全く同じ形のバスが停まっている。

すずめは私より速く歩き始めた。

気の早いすずめで ちょこちょこ気忙に歩いては 見当違いのバスに乗り込んでいく。

しかし 飛べないすずめにとって バスのステップは高過ぎて

一段を上るために 首を伸ばし 短い足を精一杯上げて がんばっている。

そしてついに上り切ると 車内をきょろきょろ見回して 違うバスだったことに気づく。

私はきょとんとしているすずめを抱いて 

そのバスを降りることの繰り返し。

 

同じことを10回ほど繰り返すうちに とうとう正しいバスが行ってしまった。

 

着替えも 

すずめの小さなベッドも

旅の途中で出会った人たちに上げるはずだった小さなお土産も 中に残したまま。

一番残念だったのは 精巧に作られたミニチュアトランプだ。

 

行き先も スケジュールも 決まっていないバスなので 追いつくことはできないだろう。

偶然バスに出あうことを祈り すずめと旅を続けるのみなのだ。

 

 

 

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目が覚めて、思う。

どうしてステップを上るときに、すずめを手伝ってあげなかったのか。

 

あ、「かわいい子には旅をさせろ」か。

 

 

もしかすると、すずめに旅をさせられていたのかもしれない。