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iPhone写真、アナログ写真、随想、詩作、 覚書き など。

自作ピンホールカメラ(4x5”フィルムホルダー併用)制作メモ②:穴について

部品作り①の続き。今日はピンホール(針穴)です。

 

354x5andwords.hatenablog.com

 

 

 

穴に入る前、少しイントロを。 

ピンホールカメラは、小さな穴を通って暗箱の中に入った光がそのまま内部のどこかの面に当たって像を置く現象を利用したカメラである。「どこかの面」としたのはそれが必ずしも平らな底面である必要は無いから。角度が付いていても、曲面でも扇型でも、必要量の光が届けば形態は問わない。

そして、外界に溢れる光の、本当に僅かな分量を暗箱に取り込むことで成立する現象なので、より多くの光を集める「レンズ」を用いるカメラとは色々な点が異なる。

例えばレンズでは、レンズから被写体の位置によって「はっきり像を結ぶ=焦点の合う」距離が変わり、これを「焦点距離」と呼ぶが、ピンホールカメラはパンフォーカス(遠距離近距離どこでも焦点が合う)である。

しかしピンホールカメラでも便宜上、穴からフィルムプレート(像を結ぶ面)までの奥行きを焦点距離と呼んでいる。

 

どちらのカメラもネガサイズが決まっていれば、この「焦点距離」を変えることで画角(「広角」や「標準」や「望遠」)が変わる。

だから、レンズの場合は欲しい画角に適した焦点距離のレンズを使い、ピンホールカメラは直接、箱の奥行きを変えて欲しい画角を得る。

 

ピンホールの大きさについて。

以上のことからピンホールカメラを自作する場合にはまずネガサイズを決め、焦点距離を決める(繰り返しになるが、これで自動的に画角が決まる)。ただ、焦点距離が長くなると露光に不便なことがいろいろと起こってくるので、実際には広角に設定されることが多い。

 なぜ「焦点距離」「焦点距離」と繰り返すかというと、この数値が鮮明な像を得るための穴の最適サイズを左右し、必要な露光時間にも影響するから。今日の記事では適正な穴を作る工程を記す。

 

その計算式には諸説*あるが、ここでその話はしない。(*可視光の波長は400nm〜700nmと幅があるので、穴の最適値の計算式はその中のどの値を取るかで変わる。)

今回、75mmの奥行き(焦点距離)のカメラなので、穴の理想サイズは、約0.31mmとした。

 

私は「Pinhole Photography: from historic techniques to digital application」(Focal Press社) というニューメキシコでお会いしたEric Renner 氏の本(下写真)の中の表に依った。日本語でもきっと良い本があるのだろうが、英語を読む人にはこの本はおすすめ。

 

いろいろと説明が下手で申し訳ない。必要か蛇足かの惑い、日本語の用語が流れを混乱させたりで、何度も削り直してこの程度。

わかりやすく説明してくれているサイトがあったので、ご興味ある方はどうかそちらをご覧ください。

http://www.toshi-photo.com/Tutorial/Tutorial_01.html

 

 

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4x5”サイズのネガを作る人への参考までに、

肉眼に近い自然な視野「標準」を得られる焦点距離は150mmで、穴の理想サイズは直径約0.45mm、150mmより短ければ広角になる。

また、150mmより長ければ「望遠」であるが、実際の撮影では色々な不都合が起こってくるのでピンホールでの望遠は特殊なもの(太陽撮影など)以外には使われないようである。

 

 

 

ピンホールの作り方

使ったのは空き缶の胴の部分。これを伸ばしてアルミ板とする。

写真を撮らなかったのだが、方法を書く。

まず缶の上面ギリギリのところにカッターで切り込みを入れ、そこにハサミを突っ込んで缶の上面を切り落とす。

次に胴に垂直にはさみを入れて、底辺手前まで切ったら方向を変えてそのまま底面周りを切り、底面を切り落とす。

胴体はもとの缶の形に丸まってしまうので、反対側に丸めてから、できる限り平らに伸ばす。

それを小さく切ってから(2cm角でよい)穴を開ける。

 

判りづらくて恐縮だが、以下のように細い針(絹糸針があれば良い)を垂直に当てて、少しづつ穴を開ける。マイクロドリルを使う手もある。

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ちょっとの油断で大きく開きすぎるので、アルミの僅かな反発力を感じながら、少しづつ慎重に。

定規の1mm目盛りに穴を当て、拡大鏡で大凡のサイズを確認しながら進める。

 

 

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 (ルーペで覗いたところ。数字”5”の右側は1mm、左側は0.5mm目盛り。目盛り線の太さを考慮に入れるとだいたい1/3mmほどなので良しとする。)

 

必要な大きさを得たら、穴の周辺を目の小さいヤスリ(最低800番手以上)で平らにする。目が塞がればそっとカスを除く。窓際で作業し、少し開けては光にかざして穴を確認すると効率が良い。

 

これを、前記事で作ったピンホール用のプレートの、箱の内の面に、ピンホールが対角線の交点と重なるように貼る。穴の周りを油性マジックで黒く塗りつぶし、黒テープでしっかりと留める。(写真↓ピンホールが見えるだろうか)

 

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