⇔ Diá ⇔

iPhone写真、アナログ写真、随想、詩作、 覚書き など。

武装人助け集団と赤い男(夢)

いつもならおぞましい悪夢になる題材がコミカルに処理された夢を見た。

気になったので記録する。

 

アメリカ南部か中部の荒野。遠くに低い山脈。

未舗装の道を濃い緑色の車が砂埃を上げて走る。車種は定かではないが古いベンツのようだ。中には1組の男女。女は黒髪のアジア人。男は縮れた栗毛。どちらかがハンドルを切り損ね、道沿いにぽつんと建つ白い建物に突っ込んだ。すぐさま武装した人々が飛び出してきた。

ポリスステーションかと思ったが、武装したキリスト教系一派のアジトであった。

男女は車を出て武装グループに取り巻かれる。運転していたのは栗毛の男だった。そして男はたまたまこの一派の信徒であった。武装グループは怪我人を助けようと飛び出してきたということだったが、二人とも無傷であった。

「神の祝福を。」

二人はへしゃげた車に乗り込み、エンジンをフル回転して建物から抜け出して旅路に戻った。

 

(トイレに行って、第二部。)

同じ教団の同じ建物が、今度は断崖の上に建っている。断崖の上では頭髪も皮膚も、全身が真っ赤な男が釣り糸を垂れていた。後方では若い妻と小さな子供二人がピクニックシートを広げて遊んでいる。

男がやおら海に落ちた。妻と子供たちが崖っぷちに駆け寄った。

「おとうちゃん!!」

波は高く、荒ぶっていて、男の姿は見えない。

しばらくすると、荒波の中から赤い男が仰向けに浮き上がってきた。

背中を巨大な亀に羽交い締めにされている。

亀の力は凄まじく、男はもがくのも諦めた様子である。

気が付けば先ほどの武装グループも崖っぷちから一緒に様子を見ている。子供と妻が叫んだ。

「おとうちゃんを助けてください」

「この波では手も足も出せない。明日の朝になれば治まるだろう。それまで待とう」

 

一晩の間、波間に見え隠れする男。亀の凄まじい力で締め付けられ、ほとんどの骨が砕け内蔵も損傷していた。男はもはや自分が助かるとは思っていなかった。

 

翌朝、武装グループが亀と男を引き上げた。

ずたずたの男を見た武装グループ緊急医チームのチーフは

「男の家族に断らなくても良いだろうか?」と悩み気が咎めつつも、そのまま手術を決行した。

まずは巨大な白いホーローのトレーに使用不可能な部位と使用可能な部位をきれいに並べた。

使用可能なのは脳、心臓、肺の半分、上半身の背骨と肋骨数ペア。

男は骨まで赤かった。磨き上げたような赤銅色。光を鈍く返す鎖骨の反りが美しい。

だが肺だけが白く、形は小さな海ぶどうのようだ。

 

それらを再利用して「サイボーグとうちゃん」が再生した。

呼吸でゆっくりと波打つ胸。一つ一つの筋肉を忠実に再現した滑らかな動き。見たところは成功と言える。

いよいよ家族との面会だ。

無断で手術を決行した緊急医チーフは、内心ドキドキである。

家族が部屋に入ってきた。

「おとーちゃん!」

「おう。」

半身を起こした男のシーツがはらりと滑り、右腕が現れた。

しかし肘から手首までが透明だった。手術チームが色を塗り忘れたのである。

「あれれ!おとーちゃん、サイボーグになっちゃったの??」子供が尋ねる。

「そうみたいだ・・・。」

男は身体を捻り、腕を上げ下げする。

「うーん、身体は時間が経てば問題なく動きそうだ。ただ、暫くの間はお前たちに面倒をかけることになるだろうな。申し訳ない。よろしく頼む。」

一瞬家族がそれぞれに思いを巡らせる。一人の子供が尋ねた。

「おとーちゃん・・・ご飯、食べれるの?」

「どうだろう、食べれるのだろうか・・・食べてみたい気もするが」

「どうだろうね、食べれるといいね。」

「胃袋、ないんだろうなぁ」男は寂しげに目を伏せ腹部を見た。

 

 

そして私は目が覚めた。