
自分の思考に自分の思考が絡みつく。
なんとはなくコーヒーテーブルに置かれっぱなしの一冊を取った。
ずいぶんと前に一度読んだはずだ。
だがページを繰ると冒頭に引き込まれ、止まらなくなった。
北海道にかつて生きた民族。もちろんここに関心があり、読んだ本だ。
だけど今は、彼らを知る手がかりを忘我混沌で探し、編み続けた人々の記述が心を捉えて離さない。
司馬氏は美しい人柄を持った無数の人物像を、丁寧に描き出していくから。
そんな人々の生きざまに、心を打たれた。
自分はかく在れるのか。
・・・ではなく、決意だな。
やっぱり読んでしまおう。