10 15 2016 Onomichi, 尾道①
目的地は広島だが、この時野球(クライマックス戦)で市内のホテルが全く取れなかった。
Air B'nBで広島駅近くのゲストハウスに1泊を取り、どうせなら、ともう1泊を尾道に取った。
徳島からバスで岡山に出て、そこから在来線を乗り継いで4時間半ほどで到着。
尾道には行きたい場所があった。
志賀直哉の旧居とされる棟割長屋である。
旧居と言っても彼がここにいたのは半年足らずである。
密かに志賀直哉の短編、中編作品が好きだ。ほぼ読んだと思う。
この棟割長屋で構想を練った代表作「暗夜行路」はそれほど好きではないけれど、
ここが重要な場所だったことは疑いがない。道を尋ねて石段をもくもくと登り、瀬戸内海を見下ろして、その空間に身を置けてちょっとじんわりきた。
お勝手、6畳、4畳半、縁側と続く。部屋から瀬戸内海を望んで、なんとも贅沢な棟割長屋である。
千光寺を登りきると日が落ちた。
行きも帰りも迷った。森の中では迷わないが、道が敷かれていると迷う。
不思議な方向音痴である。
坂を下りきったところで日々の疲れが出る。
ヘロヘロ状態で海辺に出て、ポツネンと立つプレハブの食堂発見。
ちょいと中を覗くと、ガラスケースに魚料理や煮物、寿司が並んでいる。
おおお。これは昔ながらの食堂だ(たぶん。)
昼を食べていなかった。
中に入って、ガラスケースから摘むとエプロン姿のおばちゃんがお魚を温め直してくれた。
お馴染みさんらしいおばちゃんが、だいぶんお年を召したおとっつぁんを連れて入って来た。
タイムスリップ感と地元感をダブルで見られて嬉しい。
店を出るとすっかり日が暮れていた。
懐かしい瀬戸内の月。