7 19 2017. レナぺ族のロングハウス
前記事の続き
Bushkill Falls の駐車場周りには様々なアトラクションがあって、インディアンミュージアムと銘打った部屋に入るとレナぺ族のロングハウスのモデルハウスが展示されていた。
レナぺ族はコネチカット州からニューヨーク州の一部、ニュージャージー州全域、ペンシルベニア州のデラウェア地域に暮らしていたアルゴンキン語族のインディアンである。
ロングハウスはアメリカ東北の森林地帯の諸インディアン部族にかつて共通していた家の様式で、名の通りに細長く、複数の家族が共同生活をした。模型でも思いがけずに出会えて嬉しかった。説明書きによると、レナぺ族の家は60フィート(約18メートル)に及ぶことがあり、そのサイズだと25家族以上がまとまって居住していたという。殆どの時間を屋外で過ごしたので、住居が狭くても気にならなかったらしい。
アーチ状の骨組みができたら、楡の木や栗の木の樹皮を適当な大きさに切り取り、それらを葦など紐状のもので横に継ぎつつ、地面から上へ上へと葺いてゆき、葺きあがると外側から枝や葦で固定したらしい。
入り口は対角線の位置に2箇所。
冬場にはこの出入り口を樹皮で塞いで寒さを凌いだ。
毛皮をめくって内部に入る。
木材を組んだ長椅子に毛皮を敷いてある。寝床である。ちなみに壁の黒いものは影である。
天井近くにはトウモロコシやペッパーなどの保存食が干してある。
作るのに手間のかかるロングハウスは、森林資源が豊富なアメリカ北東部の特徴で、農耕のための定住の拠点として機能した。男性は狩猟のために移動して、狩場には仮住まい(wigwam(weetus, wetus)を建てた。これはロングハウスとほぼ同じ建て方で小型版とでもいえるものである。
「ホデノショニ連邦(Haudenosaunee)」
余談だが、アメリカ建国の際、「連邦制」国家の仕組みや法律などのモデルになったのはアメリカ東北部のインディアン6部族連合「イロコイ連邦(Iroquois)」なのだが、これはヨーロッパ人に付けられた名前である。オリジナル名を今回初めて知った。「ホデノショニ連邦(Haudenosaunee)」、意味は「ロングハウスを建てる人々」である。
おおーー。そうだったのか。
彼らは長さ200フィート(約60m)、幅20フィート(約6m)、高さ20フィート(約6m)の家を建てることもあったという。そしてその高い天井高は今で言うロフト式の上層部を持ち、寝るスペースに充てられた。
私は原始的な「家」に興味があるのだが、インディアンの色んなタイプの住居がよく纏められた以下のサイトが面白かった。
Native American Homes: Wigwams, Longhouses, Tepees, Lodges, and other American Indian houses
また余談だが、アルゴンキン語族の住居について:
レナぺ族もアルゴンキン語族の一つだが、一般には、アルゴンキン語族は春夏にはwigwam(weetu, wetu)に家族単位で暮らし、冬にはもっと暖かいロングハウスで数家族が共同で暮らしたとのこと。なんだかこの辺の情報がこんがらがったが、コンコードミュージアムの展示ではこの大型バージョンもwigwam(weetu, wetu)と呼んでいた。
覚書きまでに。
一度でいいから寝泊りをしてみたい。