8x10”フィルムホルダー併用自作ピンホールカメラ(覚書)
8x10インチ用のピンホールカメラを作った。
ピン太郎(4x5”)の弟分だけど随分大きいのでピン二郎だとかなり違和感。
ピン助にしようか。
大洋に浮かぶ無人島感のあるこのブログ、
「4x5”ピンホールカメラ制作」の訪問者が多いよう。
基本的な作り方はどちらもほぼ同じなので、
作り方一覧と、今回の変更点を参考に。
材料切り出しはこんな風。ボードの繊維方向は画面の垂直方向。
今回のポイント
① 体積は8倍、面積は4倍、支えるフィルムホルダーの重量は3倍、露光時間も倍となるので、強度と安定性をどう得るかを考えた。
軽量なフォームコアボードは安定性においては全くの不向きである。だが軽量化は自作の大きな理由の一つなので、まず横方向使いを基本とした。
・三脚の取り付け位置の変更=中央ではなく全体の重心近くに
ワッシャーを嵌め込んでいるのが三脚位置。フィルムホルダーは頭でっかちなので、縦に使う時のバランスも考えて、頭の方に。
そして、うんとフィルムホルダー寄り、その上にフィルムホルダー面に接する補強材が渡るように。
・補強材を増やす
上面、側面、底辺の4面のそれぞれ4辺に補強材を組み込んだ。またフィルムホルダー面の裏側も2重にした。(↓写真)
ちなみに補強材寸法:
上面と底辺の横幅と同じもの4本、1インチ幅で。
側面の板の高さからボード2枚分の厚み(3/16x2=3/8”)を両端それぞれから差し引いたもの(10と15/16“)、1インチ幅のを4本。
↑は基本のサポーター。これに、8本追加。
④ フィルムホルダー留め具を磁石式に
前回は特に横からホルダーを出し入れしにくかったので、背面からカパっと差し入れできる方法を考えた。
実用性がある方法で思いついたのは、①フォームコアで板状の蓋を作る、②ゴムバンド+ベルクロ、③ゴムバンド+強力磁石。
強力磁石で実験した結果、上記のワッシャーと組み合わせて使うことに。
磁石を埋め込むのはピンホール面の内側。
まず、ゴムバンドの伸び方と抵抗を確かめて磁石の位置を決める。上下それぞれから2.5インチ、内側に⒈5インチの位置とした。
磁石サイズの穴を彫る。
上記ワッシャー同様、磁石をはめ込んだら接着剤で固定する。
その上からテープで留める。
磁石位置に当たる表面にワッシャーを当て、裏面の磁石と一番強く引き合うところに印する。ゴムバンドをちょうど良い引っ張り気味にした状態で、底面まで引っ張り、全長を決める。
ワッシャーをゴムバンドの片端に縫い付ける。
底面への固定方法は、取り外しできるよう直接糊付けはやめて、1インチ平方あたり450gを支える工具系の強力なベルクロにした。
こんな感じに付く。
1回作って要領を得たと思ったが、苦戦したところはやはり正確さ。
辺が長いので、僅かな誤差も大きく広がる。
細心の注意で採寸し、切ったつもりだったが、長さに加えてボード厚(5mm)があると、ボード上面から下面に対してナイフが直角を保っていなかったりで1〜2mm近くずれた面もあって、接着の際に苦労した。部品の底面はもう一度採寸からやり直した。
これは工夫よりも、慣れかもしれない。
(✴︎補足:当たり前だけど組み立てる前には仮留めして様子を確認すること。ここで大概のことがわかる。)
2〜3日でひと息に仕上げるつもりだったが、日にちを要して出来上がった時には緊張が緩んでフラフラだった。
でも感慨もひとしお。
(2018/1/22 追記)
身体は大きいのに中身は空っぽなので、安定のために重りを入れた。
中華街のハードウェア屋で見つけたほどよい大きさの板を2枚。
装着前に写真を撮りそびれたので、手前は蓋になるフォームコアボードが被っている。
以下が、蓋をしたところ(カメラ内での反射防止を思って)
手前の十字のテープは、三脚のためのワッシャーとボルトを覆っている(反射防止)。奥の面のテープはピンホール板留め。差し替えが楽なように、端を外しやすく折ってある
様子を見るために、メタル板2枚は接着せず、ぎっちぎちの状態でハマる大きさのフォームコアボード(手前の正方形:幅1+1/4“、 右の長方形:3+9/16 x 7/8”)をロックがわりに嵌めた。
カメラを大きく傾けて、そのまま数分様子をみたが、大丈夫そうなので、とりあえずこれでいってみる。