1年2ヶ月ぶりのニューメキシコ④:San Lorenzo - Deming 創造楽園から荒野の温泉を経てシャバに戻る。
旅の話に戻る。
前の晩はすっかり遅くなったが、普段は朝7:30頃が朝食と聞いていたので一応その頃降りてみる。すでにキッチンではエリックがお湯を沸かして朝の仕度を始めていた。
少し遅れてナンシーが降りてきて、話をしながら手早く準備を進める。
耐熱ガラス容器からキャセロールを取り分けて温め、コーヒーと茶を淹れ、2種類の手焼きブレッドを取り出して。
手前はクランベリーブレッド。甘酸っぱいクランベリーがたっぷりと入っていて胡桃の量も程よくて、ホロリと崩れる生地もとても美味しい。ナンシー作。
奥はエリックの雑穀ブレッド。松の実、ひまわりの種、ポピーシード、なんだったか全粒穀物がほどよい量で練りこまれている。ややずっしりとした生地だが重すぎない。これも美味しい。
・朝食キャセロール
たっぷりのサンドライトマトとほうれん草、チーズ、卵、美味しいパンにほどよく香るハーブ。あまりの美味しさに少しづついただく。
皿はニューメキシコの空の青、そこに輝く黄金色、ルビー色を載せた大地の色。
ああ、皿の上までニューメキシコだ。
クランベリーブレッドは残りを全部持って行きなさい、と言う。「旅路に食料があったほうが安心よ」ときっぱりと勧めてくれるので有り難く戴く事に。実際、旅路でとても助けられた。
その後はピンホールカメラや作品を見せたり、彼らが試作中の作品集を見せてもらったり、そしてまた話し込んで結局お昼までご馳走になる羽目に。
簡単に、とお願いしてもテーブルセッティングから整えて下さり、デザートまで頂いてしまった。
2時を大きく回っていよいよの別れ。
固くハグを交わしてまたの訪問を約束する。
エリックはエミュに餌をやるふりをして、長い間見送ってくれた。
彼らも相当疲れているはずだ。本当に感謝の念は尽きない。
彼らの谷から黄金色に輝く荒野に戻る。
窓を開けると枯れ草にセージの良い匂い。興奮を帯びたままの心地よい疲れとガタゴト道のリズム。
近くにある露天温泉に立ち寄る。
荒野の真っ只中の敷地に、裸OK、着衣のみ、といくつかの公開温泉と、1時間単位でのプライベート温泉が用意されている。宿泊予定地への移動を考えると1時間が限度でもあるし、プライベートが良かろうということになる。
とは言っても粗末な隙間だらけの板の塀で囲まれたただけの空間だ。明るい昼間の荒野で、裸で湯に浸かるのは気持ちの良いものだ。
宿はDeming というメキシコ国境に近い町に取ってあった。
ナンシーには「なぜあんな町に」と何度も聞かれたが、旅程に都合がよかっただけだ。
部屋に荷物を置き、彼女が絞り出してくれたお勧めの店へ。
Irma’s Mexican Restaurant @Deming
早い時間だが行くと満席だった。聞いていた通りにまるでメキシコ。
ここもサルサが旨い。
葉物がとても食べたくて、ワカモレサラダを。
紫キャベツの混ざったレタスの山の上に刻んだトマトとチーズ、そしてライム汁、塩だけで味をつけた大量のアボカド。3個分くらいあったか。
それにフィッシュスープ、相方はコンビネーションプレート。
キャベツ、人参、魚は失念。レッドチリとライムが効いていて良かった。相方の肉は素揚げ。このパターン初めて。
良い店。この町に来ればまた来よう。