1年2ヶ月ぶりのニューメキシコ⑤:Deming - 予定が狂って南西部の生活展示にはまる。
ニューメキシコに来て4回目の朝を迎えた。
この日は広大な白砂漠、White Sands National Monument(ホワイトサンズ国定記念物)に行くことにしていた。
4年前にテキサス州マーファへの旅途中に訪れてすっかり魅了され、今回は1日過ごしても良いと思っていた。
ということでDemingをすぐに発つはずだったが、ナンシーが「Deming Luna County Mimbres Museumの古い土器のコレクションが大変珍しく素晴らしい」と教えてくれていたので、やっぱり覗くことにした。
ところがこの博物館が面白かった。土器だけさっと見て出るつもりが、面白すぎて結局2時間ほど滞在した。
この日アイフォンの電池をできるだけセーブしなくてはいけなかったので、ほとんど写真を撮っていない。
陶器コレクションは本当に良かった。
まず、幾何学模様の美しさに驚いた。
なんとも美しい。見飽きない。
作られたのは950〜1200年頃。当時この辺でこれらの土器を作った人々は学者によって「ミムブレス インディアン」と名付けられた。Mogollon Culture (モゴヨン文化)と名付けられたこの辺一帯の文化グループの最後のステージということだ。
幾何学模様の他、人や魚や動物モチーフも多い。
カエル。特に手が好き。
真ん中に穴が開けられている。
穴は故人の魂の通り道で、故人と共に埋葬されて頭部に置かれたものだそう。
この博物館はインディアンから始まり、近年までの地域の人々の生活史にとても力を入れていた。
幌馬車。20世紀はじめの実物。
違う博物館で何度か見たが、何度見ても見飽きない。
初めて見たとき、アメリカ人のキャンピングカーの原点はこれだったのだと気付いた。この写真だと分かりにくいが、実物は車輪も大きく頑丈で何もかもが堅牢にできている。道具一式と馬のことを思うと庶民の憧れだったんじゃないかな。
また、石鹸と水と寝台という最低限が用意された、街道沿いのカウボーイの為の宿なんて、まさに今のモーテルである。
あとこれにも驚いた。
(画像はクリックで広がります。)
このリアリティーに被り物の数々がなんだか目新しい。
ラベルの「ライオンストーンウィスキー」という会社は実はボトル屋。
中身の酒を別の醸造会社から購入して、こういうデキャンタを作って詰めて、販売していたそう。
中身はケンタッキーバーボン。
ジョーク系も多い。
このはしゃぎぶり。何ヶ月ぶりの風呂だろう。
「どうかご勘弁を」
二人の身体の頑なさ。カウボーイの固く閉じた唇にブーツの模様。ディティールがほんと楽しい。
最後にはアクシデントもあり、結局出発したのは11時過ぎ。
2時間走ってLas Cruses という町の郊外で、まず気になっていたこれを見る。
比較物がないので大きさが分かりにくいが、高さ6m長さ12mとかなり巨大。
「リサイクルド ロードランナー」。
私はロードランナーという鳥が大好きなのである。
このように廃物でできている。
もとはゴミ埋立地の地面に直接立っていたそうだが、悪戯や破壊行為、また自然劣化もあって、修復したのち場所を移して台に載せられた。
これを見に行くとナンシーに言うと、昔はもっと大きな部品がたくさん引っ付いていたという。
1日分を1記事にしたいが、長くなったので次回へ続く。