2年ぶりの2ヶ月のニューメキシコ⑥:White Sands National Monument ー広漠な白砂丘の午後
ニューメキシコで過ごす4日目の、後半。
前半↓
この後、時間が押していたので昼食はとらずにWhite Sands National Monument (ホワイトサンズ国定記念物)に直行した。
白砂の大砂丘地帯で、資料によるとその広さは710㎢ということだ。東京都全体の1/3ほどに相当する。
4年前に訪れて、再訪を心から願っていた。
清々しい白さの陰に隠れるようにして、どす黒い不安感と緊張感が漂うエリアでもある。
ミサイル実験場があり、年に数回のミサイルテストが行われる際には道が閉鎖されてしまう。また、第二次世界大戦時に核実験が行われたトリニティサイトはこの実験場の一角である。
今回、南(メキシコ)方面からアクセスしたら道の途中に国境警備隊の関所にて検問を受けた。
話を旅に戻す。
道から見ている荒野に、くっきりと白い砂面の眺めが立ち現れ、いよいよだと気持ちが高まる。
着くと2時を回っていた。土産物屋でサンドイッチを一つと飲み物を買う。車の中で食べようと思っていたが、そういえば中にピクニックエリアがあったのだった。
(拡大できます)
分かりにくいが、四阿の横に点々と並んでいるのは風と日を避ける為の曲面の覆い。その下にピクニックテーブルとベンチ。フランクロイドライト風のこのデザインがとてもカッコ良いのだが、写真を撮っていなかった。
日向は暑く冷たい風が心地よいが、1歩影に入ると寒いくらい。
ナンシーのクランベリーブレッドを主役に、売店で買ったサンドイッチ、水、コカコーラ、手持ちのドライフルーツやスナック菓子。 ナンシーは予知していたのだろうか。
ピン太郎を持ってきていたので、まずは1時間と決めての自由行動。
懐かしい大砂丘。
昼の影は、空の青を反射して青みがかっている。それぐらいに白い。
ここの砂は結晶化した石膏である。石膏は水に溶けやすく、陸地に留まり地形を形成するのは極めて珍しいそうだが、このエリアは盆地(Tularosa Basin)で、大昔には石膏を溶かし込んだ湖が存在した。水が干上がり、ちょうど食塩のように石膏が再結晶化して、長い時間をかけて風に吹き飛ばされて溜まってできたのがこの砂丘ということだ。(大雑把な説明。)
風により、砂丘全体がゆっくりと、風下の方に移動しているそうだ。
植物も常に地形を変える砂に呑み込まれてしまう。
たいていの植物は、砂丘が防風壁になっている箇所にかたまっている。
これは砂を纏って、埋もれないようにフォーメーションを整えた植物。
もうタネを落としてしまったけれど、ユッカも載せておこう。
ピン太郎での撮影で手一杯で、楽しみ用の写真が撮れなかった。
5時に閉まるというし、相方も疲れていたので早めに切り上げようとしていたが、サンセットツアーに人々が集合している。この人々がいる限り閉じ込められることはなかろうと、夕日が沈むまでぼんやりと過ごすことにした。
青空を反射していた砂が黄金色に輝き始める。
話を引っ張るのは好きではないのだけど、やっぱり夕暮れ時の景色はぜひ別に載せたいので、次回へ続く。
ありがとう。