1年2ヶ月ぶりのニューメキシコ ⑦:White Sands National Monument 夕日の照らす東の空
西日を受けて砂も木々も黄金色に輝き始める。
それを眺めながら冷たい砂の上にそっと腰を下ろす。
座れば掬う。
掌いっぱいに載せて指間を開く。滑り落ちる白砂はヒヤリと冷く、その冷たさが湿り気を感じさせるようなしっとりとした肌触り。
一線上にならんだ足取り。脚の長い鳥なんだろうなぁ。
ここで何が起こったか。
西の空では夕日が輝いているが、
円形の空の淵のうち、北から東にかけてのデリケートな光に見惚れる。
言葉にならない。
ただ、今日もありがとう。
暗くなった白砂丘の道を引き返しながら、これから這い出して来るであろう砂の中の生物達の息吹を一斉に感じて息が詰まる思いだった。
恍惚としたままAlamogordo という町のモーテルに荷物を置き、夕食に出掛ける。相方が調べてあった店を探すがあるべき場所にない。と思ったら休みで灯りが消えていたのだった。
代わりに入った店のメニューでまたチリシチューを見つけて。
ゴボゴボぐつぐつと煮えたぎり、挽肉の地獄池の様相であった。