8度目のニューメキシコ⑤1月18日:San Lorenzo - Kingston - T or C
1月18日(金)晴れ〜曇り
ナンシー&エリック宅で、眠れぬ夜を過ごし、少し空が明るくなり始めた明け方に座禅を組む。
旅行中はやっていなかったが、終えた時には頭痛や不快感が消えていた。やはり本当に不思議でありがたい。
朝ごはんも本当に美味しい。
まず、大きなボウルにたっぷり入った新鮮なベリー類とパイナップルとキウィのフルーツサラダを各々好きなだけ取り分ける。ほうれん草とサンドライトマトとチェダーチーズのキッシュ、そしてクランベリーブレッド。
ほうれん草の色が悪く写ったが、あまりにも美味しくて、お代わりしてしまった。
ナンシーもエリックも、料理にも天賦の才能があると思う。
この日は、前日に急遽二人の知り合いのお家にお邪魔することに決まったので、9時に家を出る。
名残惜しい。二人もとても名残を惜しんでくれた。
さようなら、San Lorenzo。
そうして、山の中に引き返すこと1時間20分。
初めて通った時には見落としてしまったほどの細い脇道に逸れると、小さな小さな村が現れた。
そこに、自然建築を生業としているご夫婦を訪ねた。
東洋、ニューメキシコなどのいろんな壁が組み合わさった工法サンプルのようなご自宅、塗り壁ワークショップのための四阿、庭、どれもが興味深い。
出かける前の忙しい中時間を取ってくれて、1時間半ほど滞在させてもらった。
また機会があれば、工法をもっと詳しく聞いてみたい。
そこから山を下りて、前日にいた温泉街、T or C に戻り、遅めの昼食をとる。
そして、前回Rocket Innに泊まった時に教えてもらっていたコンテンポラリーアートギャラリーを覗く。
町外れの大きな建物で、展示スペースがたっぷりとあり、置いてある作品も良い。ニューヨークのクイーンズやブルックリンの、金持ち化していないアートエリアのギャラリーのような風情。
想像以上に見応えがあり、見終わった頃にちょうど手の空いたオーナーと話す。
見かけは野武士なのに小声で囁くように話すのでよく聞き取れない。作品を見せると興味を持ってくれてギャラリーのもろもろの話をしてくれるがやはり声が小さく、全て拾いきれない。
そもそもここに車を運転しない私が一人で行くことはほぼ不可能なのだけど、将来、何かご縁があると良いと思う。
怪しい雰囲気のただよう街だが、私はこの街が気に入っている。
良い温泉もあるし。
・・・ということで、また前々日に訪れたLa Paloma温泉で湯に浸かる。
今度は湯温110°F。長湯にはやや熱い。105°Fくらいが良いな。
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湯から上がると明るい空に月が出ていた。
中庭で夕涼みをしていると、不思議な感覚になる。
そういえば、昨日の朝は、まだこの街にいたんだ。
一山越えてナンシー&エリックの浮世離れした楽園で一夜を過ごし、19世紀のまま時が止まったような小さな小さな村で自然建築家と出会い、山を下りて現代アートギャラリーで過ごして野武士のちょっとワクワクする話を聞いた。
景色も人も、あまりにも濃い1日であった。