8度目のニューメキシコ⑧:1月20日 焼物覚書き @Indian Pueblo Cultural Center追記あり
うめいニューメキシコの最終日。
朝、窓から空を見ると気球が上がり始めていた。
さて、何をしようか。最終日は旅の間運転をしてきた相方の体力を考慮してのんびり過ごすようにしている。11時にホテルをチェックアウトし、とりあえず、ニューメキシコを初めて訪れた時に興味深かったIndian Pueblo Cultural Center※ を、再び訪れようということになった。
8回の旅で多少の経験を持つ今、何を思うか。
そこの付属レストランで昼を食べて、ゆっくり展示を見ることにした。
※ニューメキシコ州に現存する19のインディアン(ニューメキシコではプエブロと呼ばれる)が、それぞれの文化を伝えるために共同で運営をしている文化複合施設。
ウェブサイト内から19のインディアンについて:
まずレストランに。
「現代に生きるプエブロ料理」を趣旨としていて、西洋文明と接触する前のプエブロ料理を紹介したり、かと思うと、見ない振りのできないグローバルな影響も素直に取り入れたり。メニューはそのミックス加減が絶妙で、ずいぶんと悩んでしまった。
帰る前にグリーンチリを食べたいので、ベジタリアングリーンチリシチューを選ぶ。付け合わせは前回印象的だった、ブルーコンマフィン。
そして生野菜が無性に食べたくてサラダ。ドレッシングはレッドチリのビネグレッタとグリーンチリのランチョ。どちらも、よい。
写真の奥に写っているのはレッドチリスイートポテトフライとストリートタコス。
「ポソレ」とは、アルカリ処理で柔らかくしたジャイアントコーンを煮込んだ料理で、ニューメキシコではこれをどんな味で何と煮るか、バリエーションは色々。
ポクポクとした食感にやみつきになり、家でも何度か作った。
ストリートタコス。
左上から時計回りに、
・1 レッドチリを染ませたスイートポテト、ブラックビーン、ジカマ、コーン、ハラペーニョクリーム
・2 豚のレッドチリ煮込み、フレッシュパイナップル、レッドチリ、香菜
・3 サボテン炒め、焼きとうもろこし、トマト、玉ねぎ、グリーンチリ、香菜
・4 グリーンチリで煮込んだターキー、ハラペーニョクリーム、エスカベーチェ
家禽の肉が苦手だが、このターキーは本当に美味しかった。
本当はPre-contact(ヨーロッパ人と接触する前の、アメリカ大陸由来の材料だけを使った料理)を頼みたかったが、残念ながらディナーのみだった。
この時のメニューで使われている素材は、
ダック、ターキー、野牛、トラウト、エルク、
付け合わせは、
ジャガイモ、ユッカ、クランベリー、スクワッシュ色々、セージ、松の実、ヤム、スイートポテト、コーン類、黒豆、ズッキーニ、ひまわりの種
などなど。
ユッカのマッシュや発酵させたブラックビーン&コーンなどが気になる。いつか来よう。
そして、ミュージアムへ。
常設展示も新しくなっていて面白かった。
焼き物の模様でよく見るこのパターンは水のシンボルだったんだ。
思えば水を得るのが大変な地勢だったから、多くの模様は水に関係していても不思議はない。
追記:旅のメモ書きが出てきた。
オタマジャクシ、蛙、蜻蛉、亀、蛇、などの動物はここでも水の守り神のシンボルで、神の姿で有名なのはTewa族の the Avanyuというジグザグの龍に似た老神。
陶器の他、織ベルトの模様は雨雲、降雨、稲妻がモチーフ、刺繍やキルトの模様もしかり。男性の踊り手はWhite cotton rain sashesを雨雲と降雨のシンボルとして身につける。
これは雨の神、あるいは「レインキャッチャー」
笑ってしまったが、初期の雨の神の像はユーモラスだったそう。
それらは「雨の神」に捧げられた。
暗い会場でガラス反射もあり、まともな写真があまりない。参考までに載せる。
陶器の絵付けによく使われる絵の具は、Rocket Mountain Beeweedという植物を煮て取った炭素系色素、また鉄を含んだ土から取れるハマタイト(赤鉄鉱)のような鉱物を、有機物、水、また土に混ぜて使ったそう。
絵付けの筆はユッカの葉で作っていた。
葉を細く切り、手に馴染む長さに切り、片方の端を切り込んでから噛んで繊維をほぐし、それを用途に応じた太さに揃えて筆を作っていたそう。細いのは細かな線、太いのは幅広の塗りに使う。
そのユッカを乾燥させたもの。
プエブロインディアンたちはユッカの強い繊維でロープ、サンダル、衣料などを作り、サポニンを含む根を石鹸やシャンプーに利用していた。
生きてるユッカを載せた記事。
ユッカを見るとどうしてもアルパカを思い出してしまう。
大満足の展示だった。
風刺漫画家Ricardo Catéのアメリカの歴史やトランプ政権を風刺したイラスト展示も面白かった。
掲載していいのか気になるけれど、一つだけ
その後町外れをドライブし、まったりとお茶をして、最終日の定番の店で夕食を取り、レンタカーにガソリンを入れて返し、空港でまったりと時間を潰す。
今回は今までと違った感じの、思い出深い旅となった。
またしても走り書き感満載となってしまった旅メモ、終わります。
読んで下さった人、ありがとうございました。